A CASE OF TRAUMATIC RHABDOMYOLYSIS OCCURRED DUE TO A MECHANISM OTHER THAN CRUSH SYNDROME

症例は72歳,男性.平成19年3月27日,約4mの高さから転落して受傷.来院時CTにて左右胸腔にeffusionおよび肺挫傷を認めた.入院後ショック状態となり,左胸腔内にeffusionの増加を認めたため胸腔ドレナージを施行した.翌日には尿量減少し,採血にて腎機能低下,高カリウム血症,CKの増大が認められ,また尿検査にて濃縮尿・尿潜血(3+)であったため横紋筋融解による急性ミオグロビン尿症および急性腎不全と診断し,持続的血液濾過透析(CHDF)を導入した.後日報告のあった血中および尿中ミオグロビン値は異常高値を示していた.その後DICも併発したが,集中治療を行い全身状態は少しずつ改善し46病日に軽快退院した.横紋筋融解にはさまざまな原因があるが外因性のものとしては圧挫症候群が多く,一時的な外力の負荷にて横紋筋融解が起こるケースは稀である.著者の渉猟しえた範囲では外傷後早期に本症を発症した報告は認められなかった.本症例は比較的早期に横紋筋融解を疑い,CHDF等の適切な処置を施行し良好な経過が得られた.

[1]  P. Gabow,et al.  The Spectrum of Rhabdomyolysis , 1982, Medicine.