Nitrate nitrogen due to fertilizer application to tea plantation and its effect on ambient surface water

1.は じめに 硝酸性窒素による地下水汚染が全国的に顕在化している。この硝酸性窒素の供給源として生活 排水や畜産廃棄物の地下浸透、畑地への施肥などが挙げられるが、中でも食葉野菜への過剰な施 肥が汚染要因の1つ と考えられている。特に、茶畑では有機肥料や無機肥料の使用量が多 く、平 均施肥量が、1ト ン/haを 越 えることも希でない。これは、わが国平均で降雨によってもたらせ られ る窒素負荷量10kg/haの100倍 にも達する1)。こうした背景から、本研究では茶畑周辺の表 流水の肥料による水質への影響を調べた。 調査地域は茶樹園の広がる九州中部地域で、対象地域は年降水量は約1500mm、 年平均気温は 16°C である。主に平地は水田、丘陵地は果樹、茶畑に利用され、丘陵地か ら山地に森林が分布 する。 また、この地域は、多 くの農業用のため池が分布する。図-1に 示すように茶畑の肥料に よる水質への影響を調べ るために、茶畑のある谷地 と隣接する針葉樹や広葉樹からなる茶畑のな い谷地の2ヶ 所を選定し、湧水、池水を定期的に採水 した。また、調査地域の水質の傾向がこの