Developments for High-Speed, High-Efficiency & Stable Paper Coating

最近,紙の生産工程に対して,「軽量化」「高速化」に加え,「生産効率の向上」「省資源・省エネルギ」といったニーズが高まっている.コータおよびサイズプレスといった塗工工程においても,塗工液のロスおよび損紙の発生が直接温室効果ガス排出量と紙生産コストの増加に結びつくことから,高効率生産と安定操業の実現が必要とされており,各方面で高速生産時における塗工品質,操業性,生産効率の改善,および操業安定化に向けた様々な研究開発がなされている。上述のようなニーズに対応するため,当社ではパイロットコータの最高設計速度を3,000m/minとすると共に,フィルムコータでの両面同時塗工を可能とする改造工事を行った。また,この改造に併せ,MJパイロット抄紙機で抄紙したサンプル紙をパイロットコータで塗工できるよう,周辺設備の整備を行った.この改造により,高速・高品質・高効率・安定塗工を実現するための,ウエットエンドからコーティングまで一貫したテスト・技術開発が可能となった。本報では,改造後のパイロットコータの主要仕様と,これを用いて行っている高速化,高効率化および安定塗工の実現に対応する新技術開発状況について紹介する。