Commercialization of the Crystal LED Display System Using Micro LEDs to Realize Scalable and High-Quality Images
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発光ダイオード(Light Emitting Diode, LED)はその発光 効率と輝度の高さ,長寿命,高い色純度,高速応答性能と いった特徴から一般照明,交通信号機,液晶ディスプレイ のバックライト,屋外大型表示器など,すでに日常のさま ざまな用途で広く使用されている.そのLEDを微細化し ディスプレイの画素に用いれば高性能な自発光ディスプレ イとなることが期待され,近年になって数多くの開発が報 告されている1)2).このような微細なLEDはマイクロLED, このマイクロLEDを画素に用いたディスプレイはマイクロ LEDディスプレイと呼ばれている.なお,マイクロLED のサイズに業界共通の厳密な定義はないものの一辺50μm もしくは100μm以下と分類されるのが通例で,照明や従 来のLEDディスプレイなどに使用されるLEDチップより も数分の一から一桁以上小さいため汎用的な量産技術とし ては製造技術も実装技術もまだ存在しない. われわれはこのようなマイクロLEDによる自発光の高画 質ディスプレイを開発してきた.高画質ディスプレイを実 現するにはLEDを画素サイズ未満に微細化するだけでな く,電気的・光学的な特性ばらつきをいかに抑制するか, それらの微細なマイクロLEDをどのように大量に精度よく 実装するか,またその大量のマイクロLEDを精密に駆動し どのようなディスプレイシステムとして統合するかという さまざまな課題を解決する必要があった. この開発の過程で2012年に全米最大の家電展示会である Consumer Electronics Show(CES)で最初のプロトタイプ として55インチのフルHD(1920×1080画素)のマイクロ LEDディスプレイ(Crystal LEDディスプレイ)を発表した (図1).R(赤)G(緑)B(青)約600万個ものマイクロLED を使用したこのような高解像度のディスプレイの発表は過 去になく,明るい場所でもクリアな映像を表現する高コン トラスト比に加えて高速動画性能・広色域・広視野角・低 消費電力を実証した3). この技術をさらに進化させ,スケーラブルに拡張可能なユ ニット型のCrystal LEDディスプレイシステム4)として実用 化した(図2).これはマイクロLEDを使用した大型ディスプ レイシステムとして世界初の商品化であり,2019年現在すで に自動車などの工業用デザイン,高画質でのパプリック ビューイング,企業ショールーム,店舗や博物館などでの空 あらまし 近年の映像情報の高解像度・ハイダイナミックレンジ化および活用領域の多様化に伴い,幅広い表現力 と画面の縦横比やサイズの制限のない臨場感のある映像を提供できるディスプレイの必要性が高まっている.このよ うな要求に対し,微細な発光ダイオード(マイクロLED)を画素に用いた高い表現能力と大画面への拡張性を両立し たCrystal LEDディスプレイシステムを実用化した.この実用化に向け画素となるマイクロLED,個々の画素に微細 な駆動IC(マイクロIC)を配置した新たなアクティブマトリクス駆動技術,ディスプレイユニットを継ぎ目なく配置 する高精度タイリング技術を開発した.マイクロLEDによる非常に高いコントラスト比と広視野角,マイクロICに よる優れた輝度再現性と色度安定性を数百インチという大画面で継ぎ目なく実現でき,従来ディスプレイでは困難な 臨場感のある新たな映像表現が可能となった.
[1] Yonggang Huang,et al. Printed Assemblies of Inorganic Light-Emitting Diodes for Deformable and Semitransparent Displays , 2009, Science.