国際会議開催報告:IEEE International Symposium on Circuits and Systems

ISCASはIEEE Circuits and Systems Societyが主催する 回路とシステムに関する国際会議で,今年は5月20日から5 月23日にかけて,韓国のソウルで開催された. ISCASは,「回路とシステム」に関する国際会議としては最 大規模かつ最も権威のある学会である.近年は,専門性を重視 した国際会議が増える中,ISCASは回路とシステムに関する 総合大会的な会議の立ち位置を維持し続けている.今年の会議 テーマは,“Convergence of BINET (Bio, Info, Nano, and Enviro Technology)”ということで,近年注目されている生物 学やナノ及び環境テクノロジーに関する論文をはじめ,これま で同様にアナログ信号処理,ディジタル信号処理,通信用回路, 非線形回路,パワーエレクトロニクス,VLSIシステムなど多 岐にわたる分野から論文投稿が行われた.テクニカルプログラ ムとしては,14のトラックからプログラムが構成され,102 のレクチャーセッション,52のポスターセッション,及び四 つのライブデモセッションが組まれた.レギュラートラックに 限れば,投稿総数1,651件に対して741件の論文が採録され, 採択率は44.9 %であった.なお,スペシャルセッション,デ モセッションを含めると1,760件の投稿数で822件が採録さ れ,採択率は46.7 %であった.ISCASが目標としている採 択率50 %以下を今年も維持する結果となった.また,3人の 世界的に著名な研究者による基調講演が会議のテクニカルプロ グラムの質を更に向上させることになった. ソーシャルイベントもかなり充実していた.初日のウェルカ ムレセプションでは,氷でできたISCAS2012の彫刻が我々 参加者を迎えてくれ,世界各国の料理が振る舞われた. また,会場ステージでは,CASSメンバーによって結成され たCASSバンドの演奏があり,大いに盛り上がりを見せた.三 日目のバンケットでは,韓国の伝統芸能と,K-POPスターの 4MINUTEのステージがあり,韓国のエンターテイメントのす ごさを実感することができた.最終日のフェアウェルパーティ は,韓国国立博物館で開催され,まず博物館で韓国の歴史や 文化を学んだあと,参加者との最後の別れを交わすパーティが 始まった.ここでは,巨大ビビンバやマッコリが振る舞われ, 韓国の食文化を存分に味わうことができた.このようにして, ISCAS 2012はテクニカルプログラム及びソーシャルプログ ラム共に大成功して幕を閉じた. 来年のISCAS 2013は5月19日~23日に中国の北京で 開催されます.私はもちろん参加します!!皆さん,来年中国 でお会いしましょう!!