A Study on MALARIA CONTROL PROGRAM in Lombok and Sumbawa, Indonesia : Collecting Baseline Data and Epidemiological/ Sociological Survey, Part 2 (CBDESS II)

〔抄 録〕 本稿は,インドネシア国立マタラム大学医学部ムリヤント教授チームと佛教大学社 会学部満田教授グループとが協力し,2006年から 3カ年計画でスタートしたマラリ ア・アウトブレイクの制御管理を目指す MALARIA CONTROL PROGRAM (MCP)国際共同研究の中間報告である。MCP 研究では,マラリア感染拡大の原因 究明を疫学的観点からのみならず,経済・社会・政治・文化要因といった社会学的諸 要因の実証研究によって明らかにすることを主たる目的としている。 MCP 研究では,2006年にマラリア・アウトブレイクが発生した東ロンボク島の 4 つの村を対象に,第 1回マラリアアウトブレイク社会疫学的調査(CBDESS I)を実 施した。その結果によると,アウトブレイクは,漓地球気候変動による集中豪雨に伴 うマラリア蚊の異常発生【気候変動要因】滷乱開発による居住地周辺での蚊の飛散 【自然破壊要因】澆都市化・工業化によるマラリア患者の急速な拡散【経済社会的要 因】など,従来のマラリア対策で看過されていた医学的要因以外,とくに社会変動に 伴う社会学的要因が強く影響しており,社会的解決の重要性を認識する必要がある (本誌第 46号参照)。そこで,2007年 8月に実施した第 2回マラリアアウトブレイク 社会疫学的調査(CBDESS II)では,地勢的特徴と社会文化的背景の比較を通して, マラリア感染拡大に関する要因相互関係を解明し,その社会的解決について政策議論 する。具体的には,ラグーンの多い沿岸地域に位置する Bungin 村や Pemongkong 村と,山間高地地域に位置する Swela 村や Tanjung 村との地域間比較研究をおこな う。さらに CBDESS II では,当該地域での宗教的指導者・地方政府役人・医者・看 護師・学校関係者・社会活動家・主婦などのインタビューと第 2次的資料の収集と 分析を行い,マラリア感染拡大の質的研究を深めている。