A Program for the Education of Creativity and Manufacturing Ability Through Designing and Making a Stirling Engine

ものの創造・創作を含んだモノづくりの教育は工学 系の技術教育において中心的な位置を占めており,モ ノづくり教育の効果は,直接,工学系の教育成果とし て現われる.特に,「機械を作る」を自任する機械工 学科の学生にとっては,モノづくり技術を身に付ける ことは,大学教育を受ける最大の目標であると言えよ う. 著者らの所属する機械工学科では,この目標を達成 させるため,機械設計に欠かせない機械設計製図に関 する科目と4大力学(材料力学,機械力学,流体力学 と熱力学)以外に,熱・流体工学や製作加工技術など, 多くの専門基礎と専門科目が設置されている.とりわ け,機械設計製図の中に,2D-CADと3D-CADの教育 は1年次から4年次まですべての年次において相応な 科目が設置され,また,製作加工に関する科目も実習 を含めて1年次から3年次まで実施されている.しか し,これら科目の授業は基本的に単独に行われるため, 各科目の知識を実際問題に応用する機会が少なく,知 識や技術を身につけることが困難であるという問題が 残る.卒業研究はこの問題を解決するためにあると位 置づけされている.著者らは,このような位置づけで, 卒業研究において,研究テーマをスターリングエンジ ンの設計製作とした.学生はこのエンジンの設計製作 を通して,いままで単独に学んできた各科目の知識を 総合的に応用し,モノづくり技術習得を総仕上げする のである. 本文は,このようなモノづくり技術習得を主目的と する卒業研究の,課題設定,指導計画,実施内容,環 境整備,および実施結果を報告する.