The perception of chronic kidney disease in a general population in Okayama, Japan : 2015

わが国では,末期腎不全から慢性透析療法(血液透析・ 腹膜透析)または腎移植に至る患者数は年々増加し,日本 透析医学会の統計調査によると2014年末にはわが国の維持 透析患者は約32万人超となっている.人口当たりの透析 患者数は世界第二位となっている.透析関連年間総医療費 は約 2 兆円であり,慢性維持透析患者数の増加は,医療経 済的にも大きな問題である.透析導入の原疾患は,従来は 慢性糸球体腎炎が最多であったが,1998年以降は糖尿病性 腎症が第 1 位となり,高血圧に伴う腎硬化症も年々増加傾 向にある.透析患者は,急性心筋梗塞や脳血管障害発症 のリスクが高く,またこれらの疾患発症後の致死率が高い ことが報告されている.一方で,末期腎不全に至らない腎 障害患者においても死亡や心血管死の相対リスクは,腎機 能の低下または尿蛋白の増加の独立した危険因子である. また,その相対リスクは,尿蛋白が微量アルブミン尿,顕 性アルブミン尿と増加するに従って上昇する.さらにその 相対リスクは,GFR 60竓/min/1.73m2未満から上昇し,腎機 能が低下するに従って増加する. 岡山県健診受診者の慢性腎臓病(CKD)認知度 ~ 2015年度 ~