Two-step Design of Pre-filter and Post-filter for AD/DA Converter

集積回路の微細化,大規模化に伴い,アナログ信号による 伝送はノイズの影響を受けやすい.この影響を回避するため に信号をディジタル化した後に再度アナログ信号として復元 する AD/DA変換は重要な要素技術である .また,音源信 号圧縮など,さまざまな分野でアナログ信号のディジタル化, 復元を行なう AD/DA 変換は広く利用されている.このと き,AD/DA変換回路がもつべき性質は低量子化ノイズ特性 と低歪性であり,この実現のために Δ 変調や ΔΣ 変調など の方式が広く用いられている.ΔΣ変調器(DSM)はノイズ シェイピング型の AD変換の一種であり,Δ変調器と比べて ビットの欠落に強いことから,たとえば Super Audio CD な どの高音質でのデータ圧縮に用いられている有用な技術であ る . 著者らもノイズシェイピング型の AD変換器の設計手法に ついての研究を行なっている が,AD/DA変換系の総合 的な設計のためにはポストフィルタなどを含む全体系に対し ての評価が必要となる.通常,DSM を通過して得たディジ タル信号は高周波の量子化ノイズを含む形で整形されており, さらにポストフィルタ(主に,ローパスフィルタ)に通すこ とで量子化ノイズが除去され元信号が再現される (Fig. 1). その再現性は DSMの性能とポストフィルタ特性に依存して いる. 本論文では,ポストフィルタだけでなく信号整形のためのプ レフィルタを含む AD/DA変換の構造を提案し,2つのフィ ルタの有効な設計法について考察を与える.フィルタ性能に 着目するため DSMは既知とする.まず,設計の見通しをよ くするために低量子化ノイズ特性と低歪性の問題を分離して 評価する方法を与える.つぎに,その分離特性に基づいた 2 段階設計の方法を示し,数値例で有効性を検証する.なお,従

[1]  Shun-ichi Azuma,et al.  Optimal dynamic quantizers for discrete-valued input control , 2008, Autom..

[2]  H. Inose,et al.  A Telemetering System by Code Modulation - Δ- ΣModulation , 1962, IRE Transactions on Space Electronics and Telemetry.

[3]  G. Temes Delta-sigma data converters , 1994 .