Mechanical Drawing is an Unchanging Technology: (The Current State of Size Tolerance)

2. サイズ公差(寸法公差)について 永年利用されてきた「寸法公差およびはめあいの方式─ 第1部:公差,寸法差及びはめあいの基礎(JIS B 0401-1:1998)」が全面的に改正され,次のような表現になって公布された.JIS B 0401-1:2016 製品の幾何特 性仕様(GPS)-長さに関わるサイズ公差のISOコード方式-第1部:サイズ公差,サイズ差及びはめあいの基礎. 旧規格と改正規格の内容を比較すると,考え方(用語の定義など)および図,表の数値そのものには一部を除 き変わりがないが,使われている用語が大幅に改正されている.ものづくりのグローバル化が顕著な時代でもあ るので,新たな用語を適切に活用されることを強く望みたい.次に主な用語を記す.また,( )内の用語は旧 規格で使われた用語である.なお,紙面の都合上,図および表,対応英語,実例などは省略しているので,規格 本文を参照して欲しい. ○サイズ形体 :長さまたは角度に関するサイズによって定義された幾何学的形状. JIS B 0671-1:2002 製品の幾何特性仕様(GPS) -形体-第1部:一般用語及び定義の用語の 「単純な加工物」および「単独形体」は,サイズ形体とほぼ同等な意味で用いられていた. ○図示外殻形体:図面またはその他の関連文書によって定義された理論的に正確な外殻形体をいう. ○図示サイズ :図示によって定義された完全形状の形体サイズをいう.図示サイズ(基準寸法)は,上および 下の許容差(上および下の寸法許容差)を適用することによって許容限界サイズ(許容限界寸 法)の位置の選定のために用いられる. ○当てはめサイズ:測定によって得られる当てはめ外殻形体のサイズ(実寸法)をいう. ○サイズ差 :ある値から,基準値を減じた値をいう.サイズにおけるサイズ差(寸法差)では,基準値とは 図示サイズ(基準寸法)であり,ある値とは当てはめサイズ(実寸法)である.