Kansei evaluation for a space on displays

近年のディスプレイの発展においては、高 精細、高臨場感を実現する開発・普及が進ん でおり、ディスプレイを通して様々な空間を 体験する機会が多くなった。ディスプレイに 表示される空間を対象とした感性評価につい ては、いくつかの先行研究により検討されて いる 。先行研究では、特定の種類のディ スプレイに表示された空間を対象としたSD 法による評価を行い、因子構造や評価特性を 整理している。しかし、用いている評価項目 がそれぞれ異なるため、各研究で使用したデ ィスプレイに表示された空間の感性評価を比 較することは困難である。表示に使用するデ ィスプレイによって因子構造が異なる場合、 同じ評価項目を用いたとしても、ディスプレ イによって評価者は違う側面を評価してしま う可能性がある。ディスプレイに依存しない 空間の評価法を構築するためには、まず空間 の感性評価に関する因子構造について様々な ディスプレイにおける共通性を見出すことが 必要と考えられる。本研究では、3種類のディ スプレイを用いた空間の感性評価実験を行い、 因子構造の共通性を整理する。また、見出さ れた共通因子に基づく評価尺度の作成を試み、 適切性を検証した結果も合わせて報告する。