Attitude-Motion Estimation of Tumbling Objects Using Radio Frequency Identification

推定手法のコンセプト ― 「物体のどの領域が見えるか?」に着目 宇宙工学分野において,宇宙機(人工衛星等)の姿勢運動を推定することは,軌道上のドッキング や捕獲の際に必須の技術である.従来,姿勢運動推定は画像ベースの手法が主流であった.これは,「定 量的」かつ「詳細」な画像計測データを用いてカルマンフィルタ等で推定する技術であるが,観測時, 明暗の差が激しい光環境や宇宙機表面素材による反射の影響を受けやすいという問題があった. これに対し我々は,よりノイズの影響を受けにくい「定性的」かつ「粗い」観測データによって姿勢 運動推定を行なう手法を開発した.ここで用いる情報は,「対象物体のどの領域(側面)がこちらから見 えるか?」というものである.対象物体表面を N 個の領域に分け,観測者から見える領域に 1,見えな い領域に 0 を与えることで,観測データとして N 次元のバイナリベクトルを得る.このような定性的 観測データのシーケンスから姿勢運動を推定するというのが本手法のコンセプトである.