Spinal Cord Stimulation Enhances Neuroregeneration : Regenerative Medicine for Parkinson's Disease

PDに対する脊髄電気刺激 われわれの研究室では,これまでに脳梗塞モデルラッ トに対する大脳皮質硬膜外電気刺激や脳実質電気刺激の 基礎研究を行い,その治療効果・メカニズムについて報 告してきた1).これまで実臨床において,PD患者によく みられる問題である異常姿勢や歩行障害2),疼痛に対し て脊髄電気刺激の治療効果が報告されている.しかしな がら,PDの病態そのものに対する治療効果についての 報告はほとんどない.われわれの研究室では,PDモデル ラットに対する脊髄刺激を行い,神経保護効果を有する か,そのメカニズムには何が考えられるかを模索している. われわれは PDモデルラット(SDラット,雌)に対 し,上位頚髄への脊髄硬膜外電気刺激を行い,神経保護 効果を検討した.6位水酸化ドパミン(6‒OHDA,20μg) を右線条体内に注入することで PDモデルを作製した. C1‒2レベルの椎弓切除後,2 mm径の銀電極を硬膜外に 設置・固定した.刺激条件を次のように設定した. 刺激電極:単極刺激 刺激幅:100μsec 電流:運動刺激が生じる電流の 80%(80% motor threshold) 刺激周波数:2,50,200 Hz刺激 対照群として,電極留置のみを行う群を設けた(各群 n=10,計 40匹).実験プロトコールを図示する(Fig. 1). モデル作製 2日前から 16日間,1日 1時間刺激する と,2 Hzあるいは 200 Hz刺激群および対照群と比較し, 50 Hz刺激群において,メタンフェタミンによる誘発回 転運動数が減少し,行動学的改善が認められた.組織学 的にも,線条体では電気刺激をした 3群において,対照 群と比べてドパミン神経線維が有意に温存されており, 黒質では 50 Hz刺激群において,他群よりドパミン神経 細胞が有意に温存されていた. モデル作製 2日前から 9日間,1日 1時間刺激すると, 50 Hz刺激群において線条体内の血管内皮成長因子の発