Haptics Display Method using Finger Trace Illusion
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ヒトが何かを知覚するというプロセスは,環境からの刺 激を身体にある感覚受容器を経由して,情報処理を担う脳 でこの内容を解読する過程を経る.しかしながら,環境か らの物理的刺激と知覚されるものの対応関係は一致すると は限らない(図 1).その不一致である錯覚現象は,心理物 理学の分野では脳の機構を調べる手がかりとして利用され, 工学的な分野では少ないリソースで質や量にすぐれた情報 を提示する原理として利用されてきた.感覚受容器の物理 特性をよく知り,この特性に親和性の高い刺激を与える装 置の開発は,最も効果的な情報提示インタフェースの設計 論の構築に等しい.つまり,知覚を引き起こす感覚入力の エッセンスを抽出し,またそれを再現することは,最小限 のリソースで最大限の効果をもたらすことになる.さらに は,錯覚を利用することで実際に存在する物理的性質とは 異なった知覚を喚起することが可能になり,それは物理的 制約に囚われないため,物理的には実現不可能な事象まで も提示を可能にする.視覚や聴覚ではこれまで多くの錯覚 が発見されており,テレビ,MP3プレーヤなど視聴覚の錯 覚を上手く活かしたインタフェースは日常生活に浸透して いる.一方,触覚インタフェースの工学的応用例は少なく, 日常の生活に浸透しているとは言い難い.普及を難しくし ている大きな要因は,提示される情報量に比べて装置の大 きさ,重量,価格などのコストが釣り合っていないことで あると考えられる.触覚の錯覚は,古くはアリストテレス の 2本指の錯覚 [1]に代表されるように,数多く錯覚が報 告されているものの積極的にインタフェースに応用される 事例は数少ない.そこで,本稿ではなぞり動作時に起こる 錯覚を積極的に利用し,簡便なデバイスを用いた触覚イン タフェースの研究と設計指針について紹介する.
[1] Tomohiro Amemiya,et al. Embossed touch display: -illusory elongation and shrinking of tactile objects- , 2006, SIGGRAPH '06.