Load transfer ustar (U*) calculation in structures under dynamic loading

構造物の開発においては,負荷に応じた変形,すなわち剛性を知ることが重要である.同時に応力の状態を知 り強度を見積もることが不可欠である.これら剛性と強度に関する条件を満たすことが軽量構造の開発において 必須であることは疑う余地がない.しかし剛性と強度が所定の条件を満たしていればそれでよしとするのではな く,これらの結果が生じた理由を知り,当初の構造開発の理念に沿っていることを確認しておくことも重要であ る.構造を深く理解し,その後に続く開発に生かすことが必要だからである.そのためには構造物の内部で荷重 が伝達される様子を把握しておくことが望ましい. 荷重伝達の様子は,応力あるいはひずみの分布から検討されることが普通である.しかしながらこの検討方 法が常に完全という訳ではない.構造物中には応力集中が存在するから,応力分布から直ちに構造全体としての 力の伝達を把握できない場合があるからである.円孔や切欠きの周囲に局所的に発生した高い応力をもって,そ の部分の伝達荷重が大きいと言えるであろうか.そうだとすると,荷重を多く伝えるためには,その部位に多数 の円孔を設けることが望ましいという,非現実的な結論を導くことになる.著者らは荷重伝達 U*(Ustar,ユー スター)計算を提案し,このような問題が生じない荷重伝達の表現方法を検討してきた.荷重伝達U*計算は産 業界にも応用されており,構造検討および荷重伝達の把握などに用いられている. Load Transfer Ustar (U*) Calculation in Structures under Dynamic Loading