Enhanced Serum Oxalacetic Transaminase Activity of Mitochondrial Origin in Chronic Alcoholics

63例の慢性アルコール中毒のm-GOTを中心に各種血清酵素活性を測定した.慢性アルコール中毒では60%にGOTの異常がみられGPT・γ-GTP.CPK・Al-Paseではそれぞれ43,67, 7, 51%に異常がみられ,GOT>GPTは83%にみられた.カラム法にてm-GOTを分離測定した.健常者(n=15) 1.8±0.6U.慢性アルコール中毒9.8±1.0U.肝硬変(n=20)12.5±1.3U.慢性肝炎(n=21) 9.9±1.2U.急性肝炎(n=9) 25.4±4.2U.であった.次にGOTが50U.以上の症例についてm-GOT/GOTを求めると慢性アルコール中毒(n=21) 19.3±2.3%,肝硬変(n=17) 14.2±1.7%,慢性肝炎(n=13) 12.2±2.0%,急性肝炎(n=9) 5.3±1.0%で慢性アルコール中毒では他の肝疾患に比し最も高値を示した.慢性アルコール中毒ではm-GOTとGOTの間に有意の相関(p<0.05)がみられた.m-GOTとCPKおよびγ-GTPとの間にはいずれも有意の相関がみられなかった.慢性アルコール中毒では高m-GOT血症がみられその発生機序のひとつとしてアルコールによる肝ミトコンドリア障害が関与している可能性が示唆された.