Use of Hydrophobic Fertilizers to Cover Dairy Slurry Stores to Reduce Emissions of Greenhouse Gases and Other Polluting Gases

本研究では,貯留中の乳牛ふん尿スラリーから発生する環境負荷ガスを低減するため,化学肥料を撥水加工した革新的なカバー資材を開発し,その抑制効果の評価とメカニズムについて検証した。スラリーは,メタン発酵前と発酵後の2種類を用いた。資材は,スラリー上に浮かべることを可能とし,また農地還元する上で不足する植物養分を補給するために,微粉砕した化学肥料に疎水性シリカを混合することにより調製した。実験室規模で13日間のガス発生量を測定した。アンモニアやメタンの積算発生量はメタン発酵後のスラリーの方が発酵前のそれよりも高かった。本資材を供試することにより,スラリーから発生するガスの吸着またはスラリーの発酵挙動が変化し,アンモニアやメタンの発生量が著しく減少した。さらに,資材の一部が溶解してスラリーの養分量が増加するので,本技術は農作業の効率化が図られるとともに,畜産廃棄物の有効利用に役立つと考えられる。