Development of MultImedIa Integrated Lossless Encoder "G-encoder"

1.まえがき 高精細なマルチメディアコンテンツの制作において は、大容量のワークデータが発生し、オーディオや静 止画制作においては品質を維持するために多少の冗長 性をともなっても、基本的に非圧縮で保存や伝送が行 われている。一方、動画制作においては、完全非圧縮 な素材で制作を行うことは技術的に困難なため、やむ を得ず圧縮形態で保存や伝送が行われている。作業用 デジタル環境やネットワーク環境が大容量化してきて いるが、それらが追従できない勢いで制作現場への負 荷が増大しつつある。本研究は高精細なマルチマディ アコンテンツの制作負荷を軽減するためのロスレス符 号化ツールを開発するものである。 筆者らは、オーディオのロスレス符号化ツールの開 発にあたり、文献[1]で開示されている線形予測と可変 長符号化を基本とした一般的な符号化手法に対して、 フロントエンドに5種類の独自冗長性除去処理を配置 させる方法を提案した[2][3]。これにより、医療分野 のオーディオデータや高精細音楽制作用のワークデー タの圧縮率を各段に改善することが可能になった。本 稿では、この拡張手法を静止画および動画に対して適 用した事例を報告する。