SPATIAL AGGREGATION BIAS OF REGIONAL INPUT-OUTPUT ANALYSES

本研究は, 同じ投資によって生じる経済波及効果を計測することを目的として全国産業連関分析と地域間産業連関分析を行った場合では, 一般に両分析法による計測値は一致しないことに着目し, それぞれの分析法によって計測される経済波及効果の間に生じる差の発生構造を, 地域間交易係数ならびに地域産業連関分析の地域分割による地域経済規模の構成の観点から理論的に検討を行ったものである. 検討に際しては, 両分析法による経済波及効果の計測値に差異が発生しないための地域間交易係数の定義上の追加的条件を提示するとともに, 地域分割によって生じる各地域の地域経済規模の構成が両分析法の等価性に与える影響について考察を行った.