Heat and Fluid Flow in Accident of Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, Unit 2 (Accident Scenario Based on Thermodynamic Model)
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著者らは,福島第一原子力発電所(以下原発という)の事故発生当初から,不完全ながらも,各種の熱流動解 析や事故の早期収束に向けた提言を行ってきた .原子炉の早期収束のためには,現象の理解が重要である.こ れまで著者らは1 号機の熱流動解析を行い,非常用復水器(IC)が動いていたと仮定した場合に,多くの計測デ ータが説明できることを示した.さらに,3 号機の熱流動解析で東電作業員が高圧注水系(HPCI)を手動停止 する以前に機能が停止し,蒸気が逆流する仮説に基づき,原子炉の断熱変化モデルを構築し,測定結果と整合性 のある圧力容器(RPV)破壊直後の事故シナリオを提示した. 原子炉での現象はエネルギーと物質の保存則が成り立たっており,計測誤差も含めて全ての計測データが合理 的・定量的,もしくは少なくとも定性的に説明されなければならない.その意味では,不正確なものも含めて, 事故当初から記録された計測データが推定された事故シナリオの裏付けとなれば,それが過去に起きた現象であ る可能性がある. 本報では,2 号機の熱流動解析を行う.本報告の推定が正しいかどうかは,約 10~30 年後に原子炉を解体する 時に明らかとなるであろう.しかし,原発事故の早期収束のために,あえて不正確さの誹りを承知で原発事故を 解析する. 東京電力(TEPCO)は福島原発各原子炉のメルトダウンシナリオを発表した.そこでは,2011 年 3 月 15 日 6 時 14 分頃にサプレッションチャンバー(S/C)付近が破損し,16 日 3 時 10 分頃に RPV が破壊した(ケース 2) として解析している.RPV が全く破損していない可能性も指摘している. 著者は,これまでの原発 2 号機の熱流動解析で,当初は TEPCO の推定通り 2011 年 3 月 15 日 6 時頃に S/C が 破損したと仮定していた{文献 の (HTC Rep. 19.2, 2011/10/13),以下個々のレポートを文献として(HTC Rep. 19.2, 2011/10/13)と記す}.しかし,原子炉パラメータを詳細に検討した結果,15 日 7 時以後にドライウエル(D/W) 下部が破損した可能性も否定できないことが明らかになった(HTC Rep. 22.1, 2012/3/27). そこで本報では,原子炉の熱流動解析のために気液相平衡を仮定した熱力学モデルを構築し,そのモデルによ 円山 重直