THE USEFULNESS OF LAPAROSCOPIC REPAIR FOR PERFORATED DUODENAL ULCER IN COMPARISON WITH OPEN REPAIR

十二指腸潰瘍穿孔に対する腹腔鏡下大網充填術の有用性について開腹大網充填術と比較し検討を行った. 1991年7月~2001年6月の10年間に当教室にて大網充填術を施行した54例を,腹腔鏡下大網充填術群13例(腹腔鏡群)と開腹下大網充填術群41例(開腹群)とに分けて遡及的に検討した.腹腔鏡群は開腹群と比較して,術後3日目のCRP値 (mg/dl) が有意に低下しており(腹腔鏡群6.8, 開腹群10.4; p<0.01), 最高体温についても腹腔鏡群において3日目以降有意に早く正常化した.さらに,排ガス,排便に関しても腹腔鏡群は有意に早期に回復した.また,経口摂取開始日(同3.3日, 5.2日: p<0.001) と入院期間(同10.4日, 15.5日; p<0.0001) においても,腹腔鏡群で有意に短縮していた.一方,手術時間と医療費については両群に差は認めない.以上のことから,腹腔鏡下大網充填術は有用な術式と考えられた.