ALTA Therapy in Treating Rectal Mucosal Prolapse after Whitehead's Operation

緒言:ホワイトヘッド手術が行われなくなって久しいが,ときにホワイトヘッド手術後の後遺障害として出血や粘膜脱に加え疼痛,粘液もれなどの症状が散見される.当院では特に粘膜脱を主体とするホワイトヘッド手術後遺障害に対し,内痔核硬化療法であるALTA療法を用いた治療を施行している.症例:対象は2006年5月から2010年10月までの40例.主訴は脱出が12例,出血が8例,脱出および出血が20例.加えて排便困難,疼痛,粘液もれなども散見された.ALTA投与は,痔核組織の残存や再発が主体であれば四段階注射法に準じ,全周性の粘膜脱が主体であれば少量ずつ投与する多点法を施行した.外痔核病変を伴った1例にLEを,肛門狭窄5例に対し4例に用手的肛門拡張術を,1例にSSGを併用した.成績:ALTA総投与量は平均26.6ml.再発を3例(7.5%)に認め再ALTA治療を施行した.肛門狭窄を呈した1例に用手的肛門拡張術を施行した.結論:ホワイトヘッド手術後の直腸粘膜脱に対するALTA療法は簡便な低侵襲治療であり,粘膜脱や出血症状改善に有用であった.