Cross-cultural Comparison of Interpretation of Avatars''Facial Expressions

近年のネットワークコミュニケーションでは,感情表現のためにアバタがよく利用されるが,これ らのアバタの顔や表情の意味は,特に断らなくても任意の利用者間で普遍的に共有されるものという 暗黙的な前提の下で使用されている.本研究では,1)アバタの表情解釈に文化差が存在することを検 証する.また,アバタ表情解釈の文化差に,心理学における人間の表情解釈の文化差に関する知見が 適用できること,特に同国内の表情認知度は,他国と比べて高いことがアバタ表情にも適用できるこ とを検証する,2)表情解釈の文化差が顕著な表情を検出する,ことを研究課題とした.公開Web 実 験を行い,アジアと欧米 8 カ国間におけるアバタ表情の解釈内容を比較分析した.その結果,1) ア バタ表情の解釈には文化差が存在し,日本におけるアバタ表情解釈の一致率が高く心理学の知見が適 用できること,2)否定的な表情は文化を超えて正しく理解されるが,肯定的な表情は国によって解釈 差の大きいこと,が示された.