Cardiac arrest and resuscitation during intra-operative and post-operative periode

過去10年間の心停止症例26例について, 主としてその蘇生率について検討し, 以下の結果を得た. 1) 麻酔中での心停止発生率は, 0.09%, 回復室, ICUでの発生は0.05%であった. 2) 全例の42%の基礎疾患として先天性, 後天性心疾患を認めた. 3) 年齢別では0~1歳未満と, 40歳以上に心停止が多く認められた. 4) 予定手術症例に比し緊急手術症例に心停止の発生が多かった. 5) 本質的に心筋そのものに障害を生じることが, 全身性低酸素状態の発生よりも心停止発生のより大きな要因として認められた. 6) 心停止に先行する心電図所見として徐脈性不整脈が63%と多く認められた. 7) 調査対象症例26例についての長期蘇生率は35%であり, 蘇生操作が15分以内であった場合の長期蘇生率は88%であり, 15分以上要した場合11%であった. これらの症例からの心停止再発は, 初回心停止後6時間以内にすべて発生し, 心停止回数が増加するに従って予後は不良となった.