Decomposition Behavior of Flame Retardant Plastics Containing Brominated Flame Retardant and Trioxide Antimony

臭素・アンチモン系難燃性プラスチックのケミカルリサイクルのための基礎研究として, 窒素雰囲気, 水蒸気雰囲気において加熱温度573~973Kでの熱分解実験を行い, 臭素, アンチモンおよび炭素分の挙動について検討した。その結果, 本実験条件下では, 熱分解ガス中には水素やメタン, エタンなどの可燃性ガスが存在すること, さらに含有アンチモンの約90%, 含有臭素分の約60%は液状生成物中に移行し, 主にSbBr3の形態で存在することが明らかになった。また, 液状生成物中の臭素の一部は1-ブロモエチルベンゼンなどの有機臭素化合物の形態で存在することが明らかとなった。加熱温度973K, 水蒸気濃度40%の条件では, 窒素雰囲気における熱分解と比較して有機臭素化合物の無機化が促進され, 約80%の有機臭素化合物が無機化していることが認められた。