Determination of biliary ionized Ca2+ concentration and its aspect in human gallbladder bile

要 旨:胆 汁 中遊 離 カル シ ウ ムイ オ ン(Ca2+)は 生 物 学 的 活 性 を 有 し,不 溶 性Ca塩 の形 成 に関 与 す る.著 者 らはCa2+ selective electrode法 に よ る胆 汁 中Ca2+の 実 用 的 測 定 法 を 開 発 し,そ の 測 定 値 の妥 当性 を 分 画 分 子 量1,000に よ る限 外 〓 過 液 中Ca値 と比 較 し確 認 した.本 法 を用 い て 胆 石 症 患 者14例(純 コ レス テ ロ ール 石8例,混 合 石6例)の 胆 嚢 胆 汁 中Ca2+濃 度 を 胆 汁 脂 質濃 度 とと もに測 定 した.胆 汁 中 総Ca濃 度 は9.46±3.42mg/dlで 胆 汁 脂 質 濃 度 との 間 に 強 い 相 関 が 認 め られ た.一 方 胆 汁 中Ca2+濃 度 は2.40±0.63mg/dlで 胆 汁 脂 質 に 非 依 存 性 で ほ ぼ 一 定 値 に 保 た れ て い た.限 外 〓 過 液 中Ca値 はCa2+値 よ りや や 高 値(3.2±0 .6)で あ る が極 め て 近 似 して い た.Ca2+添 加 実 験,胆 汁 稀 釈 実 験 に お い て も,Ca2+濃 度 の変 化 は極 め て 軽 微 で 一 定 値 に 保 た れ る こ とが示 され た.こ れ ら の事 実 は混 合 ミセ ル の 胆 汁 酸 がCa2+と 可 逆 的 に結 合 ・解 離 を く り返 しCa2+濃 度 を一 定 に 保 持 して い る事 を示 唆 して い る.