A CASE OF EARLY DIAGNOSIS OF THE PRIMARY VOLVULUS OF THE SMALL INTESTINE BY ABDOMINAL ULTRASONOGRAPHY

手術や腸回転異常に起因しない原発性小腸軸捻転症は極めてまれな疾患であり,術前に診断されることは少ない.今回腹部超音波検査にて診断した原発性小腸軸捻転症を経験したので文献的考察を加え報告する.症例は74歳,男性.2007年某月,突然の腹痛を主訴に近医を受診した.X線検査でイレウスと診断され当院へ紹介された.腹部超音波では,上腸間膜動脈根部を中心として捻転している小腸が観察された.カラードプラ上,腸間膜の血流は保たれており小腸の浮腫も比較的軽度であった.開腹所見ではSMA根部付近で小腸が時計回りに360°捻転していたが,癒着などの器質的疾患は見られなかった.術後経過は良好であった.手術既往のない高齢者のイレウス症例において腹部超音波検査は診断に有用であると思われた.