Recognition of Optic Nerve Head Using Blood-Vessel-Erased Image and Its Application to Production of Simulated Stereogram in Computer-Aided Diagnosis System for Retinal Images

あらまし 我々は,眼底画像の異常を自動検出することによって眼科医の診断を支援するコンピュータ支援診 断(CAD)システムの開発を行っている.本研究では,眼底画像の視神経乳頭を認識するために,血管の抽出及 び消去を行う手法を提案する.また,血管消去画像の応用例として,患者説明に利用する擬似立体視画像の作成 を行った.血管はカラー眼底画像の緑成分画像に対して,モフォロジー演算の一種である Black-top-hat 変換を 行い抽出した.抽出した血管領域に対して周囲の画素の RGB値を利用した補間を行い血管消去画像を作成した. このように作成した血管消去画像を視神経乳頭の認識に適用した.視神経乳頭は,血管消去画像を用いた P-タイ ル法によって認識した.78 枚の画像を用いて評価実験を行った結果,認識率は 94%(73/78)であった.更に, 抽出した血管像及び血管消去画像を利用して,擬似立体視画像の作成を試みた.その結果,血管が網膜の硝子体 側を走行している様子を表現できた.本手法が眼底 CADシステムの精度向上に寄与することを示唆した. キーワード 眼底検査,血管抽出,画像補間,コンピュータ支援診断,トップハット変換