A CASE OF BILIARY STRICTURE DEVELOPED 14 YEARS AFTER A PANCREATICODUODENECTOMY

症例は77歳の男性である. 17年前に膵管内乳頭粘液性腫瘍で膵頭十二指腸切除術をうけている. 3年前, 上腹部痛, 発熱を主訴に当院を受診した. 肝内胆管の軽度拡張を認め, 胆管疾患を疑い, 経皮経肝胆道造影を施行した. 胆管空腸吻合部の狭窄と総肝管内に陰影欠損を認め, 結石と診断した. 経皮経肝胆道鏡検査を行うと, 結石は褐色でもろく, 空腸内に落下させることができた. カテーテルにより狭窄部を3カ月間拡張した後, カテーテルを抜去した. その後3年経過した現在, 吻合部狭窄によると思われる症状はない. 膵頭十二指腸切除術後の胆管空腸吻合部狭窄の多くは5年以内に発症するが, 10年以上経過例の報告もある. 診断や治療には経皮経肝胆道鏡検査が有意義と考える.