The Current Tendencies and Topics of Agricultural Fungicides
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農 薬は最近10年 間 にわた って, 最 も成長率の高い化 学工業 分野 の一 つであ るといわれてい る. その中で も, 農業用殺菌剤 の世界市場は, 1970年 代 において, 殺 虫 剤 や除草剤等 に比較 して, その生長 率が最 も大 きい と推 測 され る資料 もある. この傾向 は国 内で も過去5年 間を見 ると同様 な傾 向が 示 され てい る. もちろん, この期間内には世界各 国におけ る農薬 の規 制, 社会 と経済の変動, あるいは農業生産形態 の進歩 な どによる薬剤の新旧交 替 も包含 され ているが, 巨視的 な 動向 として この傾向は今後 も続 くもの と思 われ る. 1960年 後半か ら, 米 国, 日本 および西欧諸 国では, 農薬の人体お よび環境 に対す る安全性の評価規準が年 々 厳 しくな り, その評価 にたえない もの は新規薬剤 として 認可 されず, またすでに認可 され, 市販 され てい る製品 といえ ども, 登 録取消 しとなることが少 なくない. さら に1974年 以来設備費 と製造 コス トの著 しい上昇 も企業 リス クとして加 わ ってきてい る. 新 しい農薬 の開発 には, 数億 ~数十億円の研究開発投 資 と数年 間の歳月を費 して, 効力, 作用特性 と適用方法, 安全性および工業化 などの研究開発の蓄積 が 必 須 で あ り, また市販後 におい ても, たえず これ らのすべての面 の フォローが必要 である. この ような企 業 リスクに もか かわ らず, 将来 もなお成長が続 くと予測 され るお もな要 囚は1970年 代 以降 の食糧, 飼料農産物の国際的な備 蓄 率 の低下 とそれ による価格の高騰, また発展途上国の農 業生産 と食生活 の向上意欲 にある と考 え られ る. とくに農業用殺菌剤 は, 殺 虫剤 や除草剤 と異 な り, 対 象 となる植物病原菌が直接 肉眼 では見 えない こと, その 分類体系, 生活史, 宿主 との関係 な どが十分 に明 らかで ない場合 もあることか ら, 今後 の植 物病理学の進歩 と世 界の植物防疫体制の充実 によって, 最 も成長度の高い農 薬分野で あると考 えられ る. 以下に現在お もに使用 され てい る殺菌剤 を分類 し, そ の問題 点を整 理 して述べたい. なお薬剤別の分類 につい ては著者 自身の考 えに基づいた もので, 必ず しも従来の 分類にそ ぐわない こともあ ろうと思 う.