Ectopic calcification in intravenous maxacalcitol pulse therapy for secondary hyperparathyroidism in a hemodialysis patient

key words:二 次性副甲状腺機能亢進症,血 液透析, maxacalcitol,ビ タミンDパ ルス療法,異 所性石灰化 <要旨> 症例は慢性糸球体腎炎を原疾患 とする慢性腎不全のため, 1990年3月 より維持透析を施行 している50歳 の男性. 1999年11月 頃より左肩関節内側関節包の石灰沈着(φ9mm)に よる肩痛のため整形外科にて加療 していた. 2000 年1月 にはc-PTH値6.0ng/mLと 上昇を認めたため,二 次性副甲状腺機能亢進症に対 して経口活性型 ビタミンD 製剤によるパルス療法を開始 した.経 口パルス療法開始後1年 経過 した2001年2月,両 肩および右肘関節部に異所 性石灰沈着を認めた. 2001年3月 からは(i-PTH 427pg/mL) maxacaicitol (5μg×3/週)に よる静注パルス療法 を開始 したが,静 注パルス療法開始3か 月後(i-PTH 448pg/mL)に は腫瘤状石灰沈着の著明な増悪を認めたため 投与中止 した.最 近, maxacalcitolが 開発され二次性副甲状腺機能亢進症の治療薬として期待 されているが,そ の 投与基準は確立 されていない.ま た,経 口ビタミンDパ ルス療法による異所性石灰化の出現についての報告はみら れるが, maxacalcitol静 注パルス療法による異所性石灰化増悪の報告は少ない.本 症例で示 したように, maxacalcitol静注パルス療法により異所 性石灰化の急速な増悪 をきたす可能性があるため,そ の投与に際 しては,治 療前に 整形外科医との関係 を密にしてcalcificationの 有無やその程度を十分に検討 してお く必要があると考えられた.