ERGONOMIC EVALUATION METHODS FOR BRIDGE VIBRATIONS

土木構造物 は動的外力 を受けて, 大きいか小 さいかの 差 こそあれ振動す る。 この こ とか ら従来 よ り振動 につい ての多 くの研究 がなされ てきた。 それ らの研究 は, 主 と して外 力が作 用 した とき構造物 が どのよ うな動的応答 を 示すかについ ての力学的研 究や構造 物が振 動す ることに よって どの よ うな影響(た とえば, 疲 労や塑 性変形な ど) を受け るかについ ての材料強度学的研究で あった。 ところが, 構造物 の振動が構造物 以外 に 及ぼす 影響 (たとえば, 人間への影響 など)は ほとん ど老慮 され て いないのが現状 である。 橋梁 の振動 において も同様 で, 最近, よ く振動 する橋 梁が現われ るようにな り多 くの実験 が行 われ, 動 的安定 性の検討がな されて きた。 しか し, その検討 は主 として 力学的 あるいは材料強度学的に行わ れ て きた。 ところ が, "橋 梁 の振動 が大 きい"こ とによ り歩行者か ら次の よ うな反応 があるであろ う。 (1)振 動 で橋梁 は壊れ るのではないかとい う不安。 (2)こ んなに揺れ るのは設計上 あるいは施工上 の欠 陥があ るのではないか とい う非難。 (3)振 動に よる生理的影響 の結果 として歩 けな くな るとい う不満。 以上 の3点 の うち, (3)の 生理的影響 が生ず るほ どの 振動 は許 され ない として も, (1), (2)は 主観的反応 であ るために動 的安定性 の検討 がなされ,「 橋 は揺れ る もの であ り, 大 丈夫だ」 と歩 行者に教育すれ ば, かな り大 き な振動に も耐え られ る, との報 告1)も ある。 しか し, 橋 梁 の振動 はなるべ く小 さいほ うが望 ましく, 設 計の段階 において橋梁の振動 をよ り小 さ くす る努力は払 うべ きで ある と老 える。 そ こで, 本論文で は振動 が人間 に及 ぼす影響 を, 生理 的影響 ・人体の動的応答 ・心理的反応 に大別 し, それ ぞ れ につい て考 えてみ た。 まず, 生理 的影響 についての研 究 は主 に医学 の分野 で行 われてい るので, その成果 を基 に橋梁 の振動 において どの程度の影響が あ る か を考 え た。 次に, 人体の動的応答 につい ては橋梁 の振動 におい て この種の問題 をいかに考慮すべ きかにつ いて, 実験 を 含 めて考察 した。最 後の問題 である心理的反応 について は従来, 乗心地や居住 の快適性 な どにおいて研 究 され, また, 最近計量心理学 の手法 が発展 し, 振 動に対 して も 三輪 ら2)に よ って広範 囲な研 究が行 われた。 しか し, 橋 梁の振動 を対象 に行 われた研究 は非常 に少 ない。その理 由の1つ に, 従来の研究成果か らこの問題 を考 えるため には姿勢や振動波形 の点で未解決 な問題 が残 され ている ためで あろ う。橋梁 にお ける振動感 をよ り小 さ くす る よ うな橋 梁構造 や防振方法 を老 えるためには, この基本 的 な問題 が解決 されね ばな らない。 その第一段階 として, 弛緩 した直立姿勢 にお い て 基礎 的な振動感覚 実験 を 行 い, 実橋振動 の実態調査結果 をあわせ てすでに文献3)で