SIMULTANEOUS RESECTION OF THE LARGE INTESTINE FOR COLORECTAL CANCER WITH ANEURYSMECTOMY AND VASCULAR RECONSTRUCTION FOR A COMMON-PROPER HEPATIC ARTERY ANEURYSM -REPORT OF A CASE-

近年,肝動脈瘤の発見が徐々に増加しており,破裂時には致命率が高いと報告されている.今回,われわれは,大伏在静脈を用いて血行再建を行った総肝~固有肝動脈瘤の1切除を経験した.症例は76歳,男性.大腸癌手術のため入院となったが,術前精査で偶然に総肝~固有肝動脈にかけて最大径10mm大の動脈瘤を認めた.手術は,大腸癌根治術と同時に瘤切除を行い,大伏在静脈グラフト(径0.5cm,長さ5cm) にて血行再建した.術後の血管造影では,グラフトの開存性(肝血流)は良好に保たれていた.致命率の高い肝動脈瘤破裂を事前に予測するのは困難であり,発見された早い段階での治療が望ましい.また,固有肝動脈にかかる動脈瘤の待期手術では,肝血流を維持するために工夫した血行再建を行うべきである.