A Method for Automated Nomenclature of Bronchial Branches Based on Dynamic Selection of Multiple Models

あらまし 本論文では三次元胸部 X線 CT像から抽出された気管支枝への解剖学的名称の自動対応付け手法に ついて述べる.これまでに提案された気管支枝への解剖学的名称の自動対応付け手法では,気管支の各部位ごと に複数のモデルを用意し,各部位ごとに入力された気管支枝とモデルとを比較し最適なモデルを選択し,そのモ デルを用いて枝名の対応付けを行っていた.しかしながら,抽出された気管支枝とモデルの間で枝の走行方向の 差異を各部位ごとに平均して評価するため,抽出された気管支と分岐パターンの異なるモデルを選択し,間違っ た枝名を対応づける問題があった.この問題を解決するために,本論文で示す手法では,気管支の中枢部から末 梢に向けて枝の分岐ごとにモデルを評価し,枝名を対応づける.その際,分岐パターンが異なるモデルを選択候 補から徐々にふるい落とす.また,枝の分岐パターンが多様な部位では,前処理としてランドマークとなる枝の 走行方向を利用して,選択候補モデルを絞り込んだ後,モデルの選択を行う.提案手法を 25 例の胸部 CT 像か ら抽出した気管支に対して適用した.その結果,90%の枝に正しい枝名を対応づけることができ,従来手法に比 べ枝名対応付けの精度が 7.1%向上した. キーワード 気管支,命名法,枝名対応付け,胸部 X 線 CT 像,解剖学的名称