Collaboration between Soft/Hard Tissue Management and Prosthodontic Treatment

口腔インプラント治療が歯科医療に組み入れられ, なくてはならないものとなって随分長い時間が経過し た.この間に,審美ゾーンにおける口腔インプラント 義歯の周囲軟組織の審美性(Pink Esthetics)に関し ては,その対応策とともに多くの知見が蓄積され,か なり整理されてきたように思う .その基本的な考え 方は,歯を失った場合においては,急速に歯の固有歯 槽骨,特に唇側骨板は吸収するということである.こ れは,近年のバイオテクノロジーの進歩が指し示して いるように,歯槽骨は歯や歯根膜とともに発生するこ と,歯槽骨は歯や歯根膜の存在により維持されるとい うこととよくつじつまがあう(図 1). では,著明な感染がなく,抜歯してすぐにインプラ ントを植立し,暫間上部構造を装着した場合にはどう であろうか.研究者によっては,歯槽骨に伝わるメカ ニカルストレスにより歯槽骨吸収が抑制されると考え る者もいるが,歯根膜がないインプラントにはその力 は限定的であるという研究者も多い.先述のように, 歯や歯根膜が存在することが固有歯槽骨を維持するわ けであるから,チタンからなるインプラントに歯槽骨 の維持効果があるかどうかは疑問がある. Atieh MA ら(2009)は,単独歯欠損に対し抜歯後即時埋入・ 即時修復処置を行った場合の予後を,少なくとも抜歯 後4カ月を経過した審美部位への待時埋入・即時修復 を行った場合と比較した 10 の臨床研究のメタ解析を 行った.主要アウトカムは,インプラント体の動揺, 炎症性骨吸収に起因する除去とデンタルX線写真によ り計測した辺縁骨の骨レベル変化である.その結果,