A Speech
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フ トに,自然の 「欲求の 強さ」とし て考察する箇所 があ ります 。 僕はこ の 考えに惹かれ,ご本人か ら, その意味 をもう少 し詳 しくお伺いで きた ら,と考 えていたの です 。 とこ ろで , こ の ような ソ フ トな 力を想像し て い たの ではと思える人物に , 南方熊楠先生がい ます 。 南方先生は著作 「南方マ ンダラ」におい て,物質的 な物と,非物質的な心が相互作用して生 じる 「事」 に関して考察して い ます 。 例 えば音声も,この考 え方によれば 「事」とい うこ とにな ります。 話者 の 頭の中で生 まれた非物質的なこ とばが,物質的 な調音器 官や空気を使 っ て現実化 したものが音声 だか らで す。こ のような 「事」の概念に前述の ソ フ トな力を導入すると,心 には,物に働きか ける 欲求の強さで ある力が備わ っ て いる と考えられ ま す 。 する と , 心はその力で物に働きかけて 「事」を 成すと考えられ,「事」の 物理的な解釈が容易にな ります 。 さて,藤村先生の 「物理学汎論」に戻 りますと, その 冒頭に ,先生が音声研究を始められたき っ か けが , 高橋先生の影響 によるものだと述べ られ て い ます。セ ミナのバ ンケ ッ トで,遂に先生からお 話 を伺うことができました。 「高橋先生は語学が達 者 でね , それがき っ かけで 音声に興味を持 っ たの だよ」「本を作る というのは□実で ,先生のお宅に 伺 っ て お話をしたか っ たの だよ」。 藤村先生のお言 葉は ,とても素直 で まっ すぐな 「欲求の強さ」に 溢れ て い ました 。 セ ミナは,世界 中の音声研究者が集い ,最新の 研究成果を発表する もの でしたが,同時に,藤村先 生か ら大きな影響 を受けた彼 らが , 先生の米寿を 祝福する祝賀会で もありました。この ような素晴 らしい 出来事 が,高橋先生に対する藤村先生の思 いの結果で あ り,同時に,藤村先生に対する参加 者の 思いの結果で ある 。 更には,そこに自分が居 ることも , その ようなつ ながりの 一 部である 。 そ う考えると,とても不思議な縁を感じたの で した 。