A morphological study on the dental roots of the molars in Tupaia glis

コモンツパイ大臼歯の歯根形態を観察し, 双波歯型大臼歯の歯根形態を比較解剖学的に検討した。1) コモンツパイ大臼歯の歯根形態: 上顎は, 頬側に2根, 舌側に1根の計3根がみられた。M3では, 変異型として歯根の癒合がみられた。下顎は, 近心根と遠心根の2根がみられた。歯根未完成歯では根間稜がみられ, これらは上顎では3根を結ぶY字型, 下顎では2根の間を結ぶ直線を呈した。2) 双波歯型大臼歯の歯根形態: M1とM2の基本歯根数の種間変異は, 個々の歯根の形態と歯冠咬合面外形によって説明できた。M3の基本歯根数には種間変異はみられない。下顎大臼歯は2根で, 種間変異はみられない。3) 根間稜の形態: 歯根数とよく対応し, 2根の揚合は直線, 3根の場合にはY字型, 4根の場合にはX字型, 5根の場合には変形したX字型であった。