Surface Pressure Measurement Using Pressure-Sensitive Paint

風洞試験で模型上の圧力分布 を求めるには,表 面に多 数の圧力孔を設け,走 査式の多点圧力変換器を用いて計 測する方法が一般的である.し か し,測 定面に開けられ る圧力孔の数には構造上 ・コス ト上の限界があり,現 実 には模型全面の圧力を計測することは不可能である. この現状 を打破す る画期 的な計測法が 「感圧塗料」 (Pressure-Sensitive Paint)と 呼ばれる機能性塗料であ る.こ れは,ポ ルフィリンなどの化学物質が放射するル ミネセ ンスの強度が,酸 素分圧によって変化する現象を 利用 した もので,模 型 に塗布 した感圧塗料が放つル ミネ センス をCCDカ メラで撮影すれば,圧 力の分布を求め ることができる(図1). 感圧塗料の最大の特長は,圧 力の面情報が得 られる点 である.原 理的には,全 機形態の圧力分布の計測も可能 である.感 圧塗料を用いれば,圧 力孔の設置が困難な模 型細部の圧力も計測で きる.ま た,圧 力孔の欠点である 煩わ しい配管や配線が一切不要になるので,試 験効率の 大幅な改善が期待できる. この ように,感 圧塗料は圧力分布の計測法 として高い ポテンシャルを持っている.し かし,感 圧塗料は決 して "M agic Paint"で はない.感 圧塗料の特性を熟知 し誤差 要因を把握 しておかなければ,定 量的に意味のあるデー タは取得で きない. 本特集では,航 空宇宙技術研究所における研究成果を 中心に,感 圧塗料を用いた圧力分布の計測技術の原理 と 実際について解説する.ま た,本 技術の発展の方向 と今 後の課題について も言及する,